「新美南吉生誕百年祭」で上演された劇団ベンベンの新作「花のき村と盗人たち」の紙芝居です。
劇中にパペットや人のお芝居などもあるため、お話の一部分✕2になっています。
今回は盗人が主人公なので、ラフと言うか少々乱雑なタッチで描こうと決めました。
使用しているのはアクリル絵の具ですが、水彩風にしています。また、古い雰囲気を出したくて、白いボードの地に薄茶色で下塗りしてみました。
盗人が弟子たちを連れて花のき村にやって来ました。
お話の中に「ウマゴヤシ」「すかんぽ」「若竹」とあったので、描き込んでみました。すかんぽって初めて聞きましたが、調べてみると良く見かける草花ですね。
盗人の弟子は「釜師(鍋釜を作ったり修理する人)」、「錠前屋」、「越後獅子」、「大工」です。
個人的に釜師は「新必殺仕置人」の巳代松を思い出したので、似た恰好にしてみました♪
盗人が弟子たちに下見に行って来いと言いました。
弟子が下見をしてくれるお陰で呑気に草むらで横になる事ができるから、弟子っていいなぁなんて上機嫌の盗人さんです。
場面が代わって、盗人の回想シーン。
昔から歩いているだけで人が避けてしまうし
池の端を歩いてるだけで鯉まで逃げようとするし
猿回しの猿に柿をあげたら捨てられるし、などとつらい過去(?)を思い出した上で
子どもが預けてくれた子牛は人懐っこいし、盗人の自分に預けてくれた(信頼された)嬉しさもあって、盗人さん、じーーーーんとしています。
ちなみに、子牛を預けた子どもは棒人形(切り抜いて後ろに棒を装着した看板風)になるため、単体で描きました。
もしかしたら、お地蔵さんの化身かも知れないって事で、可愛い童にしたつもりです。
出来上がってあらためて絵を見て、細部まで丁寧に描くよりも、これ位ラフに描いた方が紙芝居に向いているかも知れないなと思いました。